薄桜鬼・真改 風ノ章/華ノ章-土方篇 雑感

攻略は攻略サイトに!わたしは土方が好きなのでクリアした順に素直に土方篇の感想を書きます!るんるん

 

土方と千鶴って目に見えて対等ではない(ex:背を向ければ斬る・副長付小姓)んだけど土方が羅刹になってからその関係が逆転して、会話ではそう見えなくても千鶴が優位になったり立場が平らかになったりを繰り返している。はじめは別の目的で同じところに留まることになった2人が、同じ目的で、新撰組に、誠(真)に拘るようになるというのがわたしは好きだった。

華ノ章の主題歌の歌詞に

 

嵐の中で咲く華

嵐の中で咲く華

  • provided courtesy of iTunes

 

貴方の誠/私の誠にして

というのがあり、そう、そうなんですよね〜…と思う。風で散々散々自分の無力さと、守られるだけの不甲斐なさを感じている千鶴がやっと、華で土方(≒他ルートの攻略キャラ)の役に立てる、相手を生かすために何かできることがあると動けるようになる。それは物語の中で彼女の生まれ持った性質が発覚したからで、そのおかげで千鶴は同じゆめを、同じ立場でみることができるようになる。この構造の転換がわたしはすごく好きで、さらにそれをしみじみ感じているときに千鶴がモノローグで語る内容がすごく好きだった。

土方は男でも女でも関係ない、組織の隠したいことを知られて、それが外に漏れるようなら千鶴を殺すと、物語の序盤に言う。わたしが最初に薄桜鬼の土方って思ってた以上に好きなキャラかもしれない……と思った場面がここだった。物騒な話だけど当たり前のことだなと思う。土方は自分(=武士を目指す人間として)の軸があって、そこからブレない行動を取り、組織にマイナスになる要素は排除するから千鶴がなんであろうと関係ない。千鶴を究極にフラットにみてくれる。それがすごく好きだった。

千鶴は環境に慣れて、新撰組のしていることや社会的な立場に理解が及んでいくとあまりに自分が一方的に厄介になっている、できることはないだろうかと思い悩むことになる。その状況で、彼女ができることが模範的な家事なのは、外に出せない、隊士ではないしもちろん剣術の腕も実戦で使えるほどではないという千鶴の事情を勘案したらまあ妥当なのかなと思う。これに関してあまりとやかく言うつもりはなかった。まあそれでも、隊士に気を遣うのが千鶴のやるべきことぽくなっているのは気になるかも?まあだからこそ後々の物語に味が出てくるというか…おそらく。

千鶴がみてきた土方のことを、変化して連続して折られても建て直す彼のことを、本人もまた千鶴だけが自分の姿を見届けてくれるかもしれないとやっと認めるのがすごく好きだった。土方は千鶴は江戸の女、気が強いと繰り返し言うけれど、だからこそ自分の対として千鶴にそばにいてほしいと思うんだろう。自分が折れないからこそ自分にかけ続ける負荷を、それは違うとブレーキになる千鶴(テキストでは重石と表現されていた)との関係の対等さ。

薄桜鬼(土方篇)という物語は土方が鬼ではなく、羅刹ではなく薄桜鬼になる物語であり、千鶴が鬼ではなく、ただ女ではなく、土方の対をなす個体となる話だったと思う。長く愛される作品であることに納得できたし、(どんな作品に対しても最近必ず思うように)今知れて、好きになれてよかった。

これは蛇足ですが悲恋を回収するために選んだ選択肢があまりにも千鶴はそんなことを言うか?!みたいなやつで、非常に苦痛だった。自分で選んでるのに千鶴の解釈違い起こして辛かった。もうあんな思いはしたくない。

沖田の風だけクリアしていてすごくよかったのでまたそっちも華クリアしたら書きたい。沖田は今のところずっと他人なので、清々しい。進めるの楽しみです!

2022/12/4追記

わたしは武士にこだわって「1人で」奮闘する土方が好きだったから、華で千鶴恋愛ルートにまっしぐらになってしまうのに「本当に?!本当にいいのか?!」と何度も思ってしまった。でも土方も人間だから千鶴と出会ってまあ、変わったんだよなあと納得することにした。