ADELTA・ウウウルトラC 2話について

わざわざ別立てするくらい長くなったの、執念。全てネタバレとガチガチの先入観に基づいているので、プレイ予定があるが手を付けていないとか、プレイ中のひとは読まない方が絶対いい!映画的な画面、輪廻・循環に貫かれた2話!

2話 長くなったので別でまとめました。EDを迎えたときのめちゃくちゃにされた感じ、忘れられない。致死量の萌え、かわいすぎる画面、読み取れ!と言わんばかりに突き出される暗示と繰り返されるモチーフ。鈴史はお互いがお互いのレゾンデートルで片方が欠けたら存在し得ない2人です。

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蝶番・一色について

蝶番史郎(受)

だが。僕の正義はどうなるんだ。

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帝大法だけあって故意過失軽過失民法、ペラペラとおしゃべりをしてくれる。蝶番=書面による契約=史郎、かわいすぎる。蝶番がかわいすぎるので、ずっと助けて!と言っている。蝶番は萌え、萌えです。萌えは死語って、誰が決めたんですか?くろさわ先生も

アニメで悪役としてちょいちょい出てくるお兄さんが一番エロいですよね…。それが史郎です。(2020/9のブログ「Twitter更新まとめ」より)

と言ってるのですが蝶番の人命危機(巻き込まれお色気シーン)がこう、アニメの悪役のお色気シーン(ド〇ンジ〇様…)みたいだな~って思ってました。悪役なのになんだか半端で憎めない感じ…。いや普通に悪人だが…。

一色鈴(攻)

だから次はちゃんと呼んで

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一色鈴、パンチあるかわいげある強さで常にこちらを殴ってくる。かっこよくてかわいい!鈴史、ほこたてなんだけど普通に一色が勝利。惚れた方が負けという意味ではどちらも負け…。かわいい以外の語彙を封じられてしまったのか?くらいかわいいしか言えなくなってしまった…。

男女女男男?!…みたいな話でめっちゃ好き。蝶番史郎的引き寄せの法則、なんなんだ。

法律を学んでいたからこそ当時の社会規範を重んじて、それを内包し自分を縛るもの(=頻繁に登場する「普通」)としている蝶番のキャラクター…が好きすぎる。

他の方も言ってる通り蝶番が受であることに意味がある。自認が「夫婦」の鈴史は一色(攻)が妻で蝶番(受)が夫なので、それはBL的な「普通」、男女二項対立の規範を持ち込んで語られることの多いボーイズラブの関係性をひっくり返すことでもあって、自分はそれが好きです。

テーマ・細かい部分について/感想

水晶の夜(独:Kristallnacht)

このタイトルで、史郎があんなキャラクター、どういう意図かな~とプレイ中なので考えています。このタイトルは史実を知って意図がなければつけないだろすぎる。そもそも作中の怪獣(=人間)が物理的な力こそあれど差別されている存在・弱者なので、直接的な結び付きが未だ見つからないながらなるほどという感じ。(2話了:きちんと思った通りでした。)

→一色の耳飾りはガラスの欠片みたいだよね

→赤坂のナイトクラブの看板:NACHT(独)

→一色がドイツ出身→…………(ネタバレ)

現時点ですごい差別主義者(というか世間体を気にする・「普通」の探求者)なのを薄目で見つつ、本当に蝶番史郎のこと、好きなんだけど?!

ウルCの時代は今よりもっと表立って差別・偏見が存在していた時代なんだよな~というのを想像した。

お見合いパーティーにも表れていますが、27歳っていわゆる結婚適齢期的な、そういう年代の始まりらしくて、そういう面でも彼は「普通」を渇望しているんだなと思う。でもそんな人間がついに明確に「逸脱」してしまう人間関係、それは運命じゃん。蝶番史郎が貫き通した純情にケリを付けられそうでよかったです。かっこいいよ。

公式で蝶番に割り当てられる語が純潔なので…。

真夜中は純潔

真夜中は純潔

鈴史ファーストインパクト「水」のスチルの色がかわいすぎて、絵が好きすぎて狂ってたら切替わりが割と早く鈴史並べてセーブできなかった。

羽蘭ちゃんのスチルどれもかわいい!彼女に限らずだけどスチルで登場人物の目が♡になるのもかわいい~!ネオン背負って闇に紛れるのも芸術点が高すぎんか?2話でセーブスロットが死ぬ。

フィルムに収められるってことは自分の信念とは無関係に演出されること(蝶番→小林) →これ蝶番の言葉で改めて示されていたので、おかしくなるかと思った。羽蘭ちゃんとつるんでいることでマスコミの片棒も担いでいる蝶番史郎さん。

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1話にも登場する蝶番の職業意識、カメラマンは「何」を撮るのかという話をしてくれるのが好き!これって、無頼が「ベルちゃん」を撮影していたのも同じだよねえ?!まあそのことに蝶番は当時気付いていないのですが、構造が、同じなんだよな…。

あえて端折られる主語・目的語の、言葉にするなんて野暮的な、美学。そこを文脈から想像させる会話。それが引っかかりになってテキストを読み返してまた殴られる。こういう反芻作業が苦じゃなく、むしろ好きで、言外の意味を読み取りたい人間向け!苦手な人はおもしろくないのかもしれない。直近で読んだ感想が「自分にははまらなかった」っていうやつだったので書きました。というか睦言って2人の間で伝わればいいんだもんな?!こっちのことなんか一切考えないで語らってくれ…。

回想シーンでの「わたがしみたいに白くてね…」気が狂うかと思った。幻想的で、感傷的で、史郎がベルちゃんのために手に入れた2人の空間。この場面が本当に好きです。

車の消滅。同時に子どもを救う史郎。過去の克服と、向き合うべき相手の出現。

この部分、終盤にもつながる暗示ぽくなってて好きでした。後悔して卑屈にならない・今自分がすべきこと・したいことに向き合え!という姿勢。

ベッドシーンで「不貞行為の話してる…」と思うことあるんだ。わたしは思いました。

ベルちゃんが好きな蝶番史郎のこと本当に好きなんだけど?!?!?!?!?(何度目?)もうずっとこれしか言えない。かわいそう。

1番好きなスチルは終盤史郎が事務所の床で横たわっているやつです!当時の史郎の精神状態が見せた(を示した?)幻影的な窓の外の様子と、何度も登場したベルちゃんと史郎少年の悪夢・心象風景がダブって、溶け合う。画面右上に配置された本来は史郎のカメラに収められているフィルムの影、映画のフィルムの穴(パーフォレーションという名称らしい)にも見えるガラスのなくなった窓枠、まだ2人の接点となった「母鳥」の物語の中に横たえられている。

過去「規格」に合わないものを排除しようと、害そうという目的でガラスが外側から割られたのに対して、蝶番は自分を縛っていた「規格」を拒否する、なるべく他者に押し付けない目的で内部からガラスを、水晶を割る。そこまでの意味をくろさわ先生がこの部分に持たせているのか分からないですが、そんな風にも受け取れるかなと思いました。いやだってタイトルに持ってきたっていう、それをどうしても捉えたくて…。

作中では「母鳥」と書いて「よだか」と読ませていますが、本来はそういう表記はないっぽい。一色に女装をさせて、2人を引き合わせるきっかけともなった一色の母を暗に示しているのかなと思いました。よだかっていうと宮沢賢治よだかの星が思い浮かぶかと思いますが、夜鷹(街娼)ていう意味も自分の中では見つかって、一色と無頼との関係とか一色がバーとかで職を転々としてたこととかもぼんやり思い浮かびました。そこまで考えてるかわからんけどシリーズ。

よ‐たか【夜鷹・蚊母鳥・怪鴟】

〘名〙
① ヨタカ科の鳥。全長約二九センチメートル。くちばしは扁平で短く、口が大きい。羽色は全身に黒・茶・淡黄褐色などの複雑な斑紋があり、のど・尾羽・風切り羽に白斑がみられる。昼間は樹上の枝に平行にとまって眠り、夕方から巧みに飛んで昆虫を捕食する。アジア東部・南部に分布し、日本では各地の森林で繁殖し秋に南方へ渡る。巣はつくらず、地上の落葉の間などに直接産卵する。鳴き声はキョキョキョキョキョキョと聞こえ、なますきざみと称する地方もある。かすいどり。《季・夏》 〔新撰字鏡(898‐901頃)〕
(略)
④ 特に、夜間に街頭で客を引く低級な売春婦。もとは江戸の語であったが、寛政年間(一七八九‐一八〇一)ごろから上方でも用いた。引っ張り。夜発(やほつ)。辻君。総嫁(そうか)。街娼。

鷹・蚊母鳥・怪鴟とは - コトバンク

アーカイブ見てて気づいたけど一色の首の刺青って蛾なんですね。羽虫を飲み込む鳥に見えなくもないです。

(ああ、かぶとむしや、たくさんの羽虫が、毎晩僕に殺される。そしてそのただ一つの僕がこんどは鷹に殺される。それがこんなにつらいのだ。ああ、つらい、つらい。僕はもう虫をたべないで餓うえて死のう。いやその前にもう鷹が僕を殺すだろう。いや、その前に、僕は遠くの遠くの空の向うに行ってしまおう。)

宮沢賢治 よだかの星

よだかの星だとよだかは、自分の生のために他の生き物を捕食することに苦しんだけど、一色も蝶番も自分(=自分の存在理由たる相手)のために大立ち回りを演じています。2話はエゴの話で、元々それに基づいてしか動いていない、それがヴィラン(ヒール)ってことなんだな…。

それでも、そのエゴで他人が変わることも、手を取り合うこともできる。2人のエゴはマクロでは悪なんだけど、ミクロでは関係の再構築に向かっていくきっかけだったと思います。それはよだかの星で描かれている、他者へ向かう自己犠牲には反しているけれど、その燃え尽きよりも未来へ確実に向かっていくエゴというのも存在するし、していいというゆるされ…とか考えた。

でもでも、蝶番のモデルはセロ弾きのゴーシュだって聞いたりしていて…!それもわかる。診て、元々面倒見がいいしそれなりに責任感もある…ので、ぱっと自分の思うことをやってやり、放り出す。それで救われる、絶妙なドライさが人を救ってることもあったんじゃないかな~。だから人が寄ってくるんでは。だし、寄ってきた人間にああもう!と言いながら関係することで、変化していく蝶番はかっこいいです。

そんな悪の2人ですが、どちらも子どもを助けることで救われなかった過去の自分たちを癒すことも気にかけている。車をだめにしてしまう場面で、戦闘の合間で。

あと、頻繁に蝶番側に蝶が登場していて、理想化されたベルちゃんの象徴なのかな~とかも思った。幼い史郎がベルちゃんにあげたのも蝶のブローチ・事務所に飾っているのも蝶の絵。蝶蝶打っててそもそも蝶番って名前さあ…となったのですが、蝶・番(つがい)、露骨?!蝶は対になった2枚の翅がないと飛べない。後ろの方でも書いたのですが、鈴史、どちらが欠けても成立しない1つの器官説を唱えています。

史郎の写真館が「リンカンネーション(よく使われる表記はリインカネーションですが、輪環もかかってるのかも?想像の域を出ない…)」で輪廻の意なのはオタク各位ご存知のことでしょうが、彼の意識の中に「生まれ変わったら」・あの復元ポイントから「やり直せたら」というのが織り込まれているんだろうな~と思う。

かわいい。マーチン8ホールの蝶番。

好きなスチルに意識が向きすぎて展開の早い終盤の印象が(自分のせいで)ない。終盤の蝶番、ずっとリリックが冴えまくりだったのは覚えてるし大好き。

楽曲・SSなど本編以外について

Übel大好き!誇張なしでずっと聴いてる。

Übelの歌詞に登場するリリシズムについては前に更新した中にも挙げたんですが、2人ともに共通する特徴だと思っていて、わたしはそこにめろめろです。劇的な、ずうっと主観的で劇的な2人。

Übelは一色の曲なんだけど、リリシズムって一色のことでもあるし、蝶番と一色2人に共通していて自分が好きなところだな~と思いました。ロマンチックでドラマチックで大好きだ…。

ウウウルトラC関連メモ・日記 - 名前を入力してください

「離さないでて」は本来「離さないでいて」だけど口語で、一色が言う、それは分かる、という説得力があるのが好きすぎ。さすが作詞・作曲くろさわ凛子、ありがとうございます!隅々まで敷き詰められた作者の思惑にずっと愛を感じている。

もうこんな感想なんか読んでないで今すぐプレイして鈴史に狂ってくれよ…!になってきた。

クルビのSSも読んだけど、お互いの行動と言動が歯車となって動いている2人っていうのを象徴する内容じゃないですか?!合わせ鏡だし、2人の存在で循環する1つの器官。駆り立てるとかそういう意味のdriveてかんじの2人…

「東京は夜の6時」がタイトルのSS…。こういう細かい、こういう…ずっとセンスが良い。助けてください。曲の方の歌詞も見た?!!?て感じ、蝶番バラ持って待ってるな~わかる。一色は「お腹が空いて 死にそうなの」だし…?助けて…

あたしは渋谷系を聴いた方がいいのでは?触れる音楽の幅を広げたいです…。

東京は夜の七時

東京は夜の七時

プレイしながら毎日キャラをイメージしたアイメイクにしよ!という気力が生まれて驚いてる。オレンジ使って史郎!とか青ラメのピンクとかグレーとか使って一色!とかやってる。楽しいです。青ラメ、蛍光灯の下で見るとまじで殴られたみたいになるのに使うのをやめられない。一色のオレンジ?コーラル?のリップかわいすぎ。かわいいので自分も欲しくなって、夏から買うか迷ってた(2021SSを10月下旬に買う人間)商品の在庫があったので買いました。リップ変えたら夜美が気づいてくれるのかわいいんだよな。

2021年は、おすすめというか好きなブログ記事から気になる!好きそう!というのを掘り起こしてプレイなり、きいてみたりしていた1年だった気がします。その節はありがとうございました…。プレイし始めて年越してやっと2話のことを書いたのを公開するのですが、長いし伝わりづらい。最後まで読んでくれた方がいたらお疲れ様です。ウルC、好き!