GARNET OPERA 2022

GARNET OPERA・1/23昼, 29昼

越岡さん2022年1発目。横原くんもいるよ!戦国時代の話。

明智十兵衛光秀ガチ恋になってEXシアターを後にしたけど、それでいいの?横原演じる豊臣秀吉(藤吉郎)の土下座プロポーズもみられる。横原くんのおたくが多くて座長の名前で取ったチケだったのにずっとアウェー感があった。両脇がよこはのおたくだし地雷系の子とかいてどきどきした。EXの入り口の上にある電光掲示板撮るの初めてだったんだけど、おたくっぽくて良い。でもフォントが激ダサ。

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そもそも突然あなたのふぉゆはどこから?という話をすると、ジャニーズ基礎教養だしと思って2021年のSHOCK Eternal観て、こしおかさんのダンス、好きだな~♪って思ったのが始まり…。その後なぜかマジで何も知らないまま、ふぉゆはカバーの選曲が良いというだけで突然チケット取るようになった。

本作は、もう退所しちゃった無所とかが駆り出されていた.5舞台と同格ぐらいの、This is 大奥(2020公演中止→2021大阪のみ中止)からランクアップした.5舞台(?)って感じで発表時からわたしはかなりウケていた。だって脚本演出が薄桜鬼の人だよ?おもろすぎる。ちなみに脚本演出の西田さんは公演時間の長い作品が多いので有名らしくて、今回も発表されたとき長くてやばいらしいのでソワレは気を付けろ!というのが広まっていた。休憩15分込み・発表の時点で2時間40分ありました。18:30開演だと21:10終演。劇中では2時間45分あるって言ってた。でもストレスではなかった…中身があるので……。途中から光秀にめちゃくちゃめろってしまったので体感が短かったという理由もあります。インテリの不器用な不幸な男を愛している…。

本作、西田さんは不本意かもしれないけど光秀と煕子に萌えてしまった。尺があって、キャラクター全員を深掘りしているからこそのキャラ・関係性萌えです。

わたしはそれなりに楽しかったのでみんなどう思ってるんだろ~とパブサしまくっていたら、光秀と煕子の関係が史実と違うのに違和感があったというのを見た。そんなん…そんなん萌えのためだろ?!?!というかそもそも、劇中でも、これは"GARNET OPERA"という「ゲーム」だと強調されていて、光秀が藤吉郎に織田を討てと指示するところでも歴史に忠実にしてやるよ俺がみたいな(超うろ覚え)話が出ています。完全にフィクションだし、史実からの分岐なのでそういうことは初見でもわかるやろ…と思った。敵方と惹かれあってしまって最終的に相手を殺さなければならないなんていうのは、もう物語で何度も擦られた悲恋ものの王道なのですが、やっぱり新鮮に真剣に萌えてしまう。煕子の血を吸った柘榴の実から始まる二次創作がありそう!!!って考えていて本当に最悪でした。

2回入って、1回目は2公演めだったのでそこまでアドリブもなかったのですが、2回目はもう東京楽の前日で、数こなしたというのもあって尺長めのアドリブがあってダレたな~と思いました。西田さんの作風らしいので仕方ないと言えばそうなのかもしれないけど、やっぱり好きな演者がいる舞台で、アドリブ控えめでよかった状態をみているため、今回しか入らない人間に対してどうなの?と思う。そういう人は当然いるだろうし、何回も入ること前提で作られてる・自分はお呼びでないんだな・後味悪いって思われたら悔しいな~と誰目線?だけど思った。殺陣が多いこともあり舞台全体のテンポが速かったので、よけいにもったいなかった。でもアドリブ増えても勢いは変わらずにみれたところもあったし、役者さんの技量なのかなとも思いました。そこにムラがあるようならやらない方が無難なのでは…。

かなりメタネタが多いから人を選ぶんだろうと思ったけど、わたしは前に書いた通り完全にフィクションでメタ(序盤から差し込まれるので…)が多いんだなと理解するのが早かったのであんまり気にならなかった。自分のところの劇団でやっていたときは、(おそらく劇団を追っている客向けの)内輪ネタが多かったそうです。それよりはマシかもしれないけど、ジャニーズがいるとアドリブでジャニーズネタに走りがちで、他の演者目当ての人を置いていきがちで恥ずかしいな~というのは常に思う。SHOW BOYについても、そういう一般のミュージカルファンの感想を読んだので…。

光秀と煕子は2022年最初にしてかなり巨大な関係性萌えなのでもうこれ以上話しません…。生真面目な人間が、生まれて初めて理性的でない判断をしてしまいそうになるみたいなのが本当に好き!!!

光秀の描き方がかなり良くて、必然的に光秀と信長、光秀と藤吉郎の関係が好きでした。信長は光秀に自分のところまで来てほしい・光秀がおらんゲームなんてつまらんと思っているのに対し、光秀は信長とは一生並び立つことができない・自分はあそこまで壊れられないなとどこか冷静に自分を見ているのがそんなん…好きな人間関係だ~!劇中の光秀はそういう人間なので(?)、自分より圧倒的に格下だと思っているし、事実客観的にもそうである藤吉郎にも劣等感がある。お調子者で、軽薄に素直すぎるふるまいをする藤吉郎には自分にないものがあると思っているし、そういう人間ではない自分は八重には似合わないと勝手に(本当に勝手だな…)思ってるんだと思う。八重のこと、嫌いじゃないけど絶対に回避したい存在だと思ってそう。でも嫌いじゃないからこそ、隙として出てしまう頭ぽんぽんとかにさ、八重はさ、振り回されてしまうんですよ…たぶん。光秀最悪……。信長は劇中でけっこう狂ったやつとして描かれていますが、史実の藤吉郎(秀吉)も晩年はお狂いになってしまっているので、人でなしとカリスマ性とは隣り合わせなんだな~と思った。

あとはお濃…!お濃は自分が男でさえあれば、ここから疎外されずに信長の横に立てたのにと思っているひとなんだと思って…みました。だから自分のこと考えちゃってけっこうつらくなった。全然今回の感想には関係ないけど、こうやって舞台をみながら自分のことを考えられる時間というのが自分はかなり好きです。自分以外の人間はそんな観方をしているのか知らないけど、去年辰巳くんのぼくの名前はズッキーニ観たときも思った。お濃は一般的には(?)濃姫なんだけど、今回は一般的な姫の印象とは対照的に、強気で強いすてきな登場人物だった。姫と呼ばれて出てこないのも納得である。彼女も劇中では色々思うことがあって信長に向き合っているが、最終的に彼女の立ち位置というか、どう在るかというのに納得したようでよかった。

これに関連して、ガネオペの裏テーマ(?)は「名前を与える」かなと、少し思ったので書いておく。藤吉郎の羽柴秀吉・寧々への改称の話、武田勝頼足利義昭などなどに対して発せられる「誰?」とか「知らねえなあ」の言葉ってテーマとして一貫してませんか?メタネタだな~と笑って通り過ぎそうだけど…。謙信と勝頼の関係が分かりやすいかも。死んだ父親ではなくお前を待っていたという言葉、他の誰かの代わりではない今ここにいる自分を、相手が向き合う対象として名付けて・名前を呼ぶこと。こんなでっかい話ではないのかもしれないんですが、わたしはそういうことかな~おもしろいな~と思って観た。英語で姓はfamily nameで、名はgiven nameっていうじゃないですか、あれです。他者から自分に与えられる名前。

わたしは好きだったけどまあ分かりづらい…と思ったし、分かりづらい!でもなんか物語の受け取り方って設定とか細かいところも、まあ気にした方がいいんだけど…でもそこばかり気にするのも……と思う。この作品は完全フィクションだし、細々したセリフとか史実からの変更点より、物語で何を伝えたいかみたいなことを考えながら観るのが楽しいのにな~と。と言っても、わたしにこの時代の知識がなかったからこそ楽しめたんだと思う!でも知っててもなるほどね~!?おもしれ~奴…になった可能性もある。原作とアニメの改変点を比較するみたいで本当に嫌な態度だ。

あと気になったのが義昭が光秀に「織田信長を斬れ」って言うんだけど、ここで「斬れ」なんだ!と思った。なんか戦国時代って「討てーーー!!!」って言ってるイメージがあるので拍子抜けしたかも。あれ何か違いがあるんでしょうか。その後、光秀は藤吉郎に対して「討て」って言ってました。知っている方がいたら教えてください…。

東京公演は千秋楽まで無事に公演ができたようでよかったです!キャストだけでもかなりの人数がいると思うので、その分リスクもあるのにすごいなと思います。大阪まで無事に走り切れることを願っています…。

2022/2/1追記:ジャニーズ2人のPCR検査陽性で大阪公演は中止になってしまいました…。東京終わって間空けて大阪やる場合に中止になることが多すぎるな?!難しいですね。