4人揃ってるふぉ~ゆ~を、SHOW BOYを初めて観たのでお話とかのことを書きたい!と思って書きます。
わたしはネタバレとか仕入れられる限りの前情報・オマージュ元ネタに触れないと1回の観劇の密度を高められない…と思っている人間だから自分で観る前に何度も初演の感想ブログを読みました。なのでここでもたぶん普通にネタバレをする。嫌な人は読まない方がよいです。ちなみにオマージュ元の映画はペーパームーンとショウボートだけ観ました。他のは千秋楽までに観ちゃいたい…。
主演ダンサーと裏方
てかダンサーの話してなかった高田くんマジでスンッッとしたまともな人という印象が強すぎてへろへろよろよろしとる役どうなん…と思ってたけどよかった 嘘です 嘘なの? 嘘です 嘘なの?好き 嘘の嘘は本当…
— あい (@_brighterthan_) 2021年7月9日
あなたに憧れてダンサーになったのに、自分なんかよりずっとうまいのに踊らないなんてと言われて、(憧れてたの?)「嘘です」「嘘なの?」「(嘘だって言ったことが)嘘です」だと思って観ている。ダンサーが後半に割とヤバ男であることが露呈する前で、好きなところ。ていうか見習いが情緒がアレな人間として明言されているが、登場人物みんな割と情緒がアレじゃない?好きですが…。甲板で裏方だけ残されて沈黙があってスポットライトが当たるとき、本当に好きで毎回噛みしめてしまう。SHOW BOYの登場人物に似合うのは太陽光じゃなくて月光だとこの場面で思って、これは勝手な感じ方だけどステージに立つ人間は色んな意味で自分では光を発せない、月みたいかもしれないと考えたりした。このお話は全編24時のショーまでの、夜のお話だし…。
あと「両親が亡くなってこの仕事を継がなきゃいけなくなって夢を諦めた…そういうの分かりますけど」の後、明言されないけど言うとしたら主演ダンサーは何が言いたいのかなって考えながら観たこともあった。「分かりますけど、」『そんなありきたりの本に乗っかって生きるのでいいんですか?』って問いで挑発だったらいいなと思っている。SHOW BOYは全編通じて分岐で何を選ぶかの話であり、自分で決めることの話で、裏切られるしでも物語は裏切られなきゃ物語じゃないから楽しい。大きい分岐で安牌を選んだらおもしろくないっていうのは自分も常々思っているので(実際に取る行動は別として)、life is show time ありきたりじゃないショー(人生)を裏方にみせてほしいってきっと思ってるんじゃないかな…。
少女とギャンブラー
まあ子どもたちに夢を‼️は少女に出会って、舞台に立って欲しいと切望される見習いくんを見てうらやましく、償い的に?これまでの分(山を売り勘当された)を取り返したくなって…なんやなと……
— あい (@_brighterthan_) 2021年7月12日
おじさんが少女に「おじさんはやらなきゃいけないことあるでしょ!」て言われたときにボストンバッグが渡されて、燃料だ!再生産だ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!になりました
— あい (@_brighterthan_) 2021年7月19日
うるせえし実は普通なのに、突然思い立って極端なことをしてしまうギャンブラーおじさん。実は普通っていうのは、一晩でスッた金額に自分で怯えてたり借金を一応地道に返していた実績があるから。「よく見ると妹に似てる」・「おじさんにはやることあるでしょ!」と渡されるボストンバッグがギャンブラーの原動力で、妹にしてやれなかったところを、これまでの人生で自分が思い描いていた姿に足りなかったところを補うために奔走しているんだと思う。「子どもたちに夢を!」はタイミングも、急に突飛なことを言う感じも相まってかなりウケるけど好きなセリフ。急に演者の話するけど越岡さんが立膝する度に足の細さ長さを感じて拝んでしまう。気持ちいい。ここでも甲板が腹を割って話す場になるんだけど、上手下手の移動が登場人物たちの交流度合いの指標、心の距離の表れみたいになってるのかなと思う。後で出てくるエンジェルと見習いマジシャンでもそう。
支配人とマフィア
これあたしの感情入りすぎやろと思ってたけど鏡がモチーフになる支配人の映像見て意図!!!とか思ってキャアキャアした https://t.co/2deJOrvyR2
— あい (@_brighterthan_) 2021年7月15日
初演のキービジュアルがしばらくHPに残ってたので見てツイートしてたんですがあながち間違い?ではないなと思った。思い込みがずっと激しい。
あたしはバカなので昨日まで支配人のテーマがメインテーマ(あってる?)リプライズなの気付かなかった!
— あい (@_brighterthan_) 2021年7月15日
リプライズのことマジで何も知らず、でもそういう技法あるよなと思って調べて分かりやすかった文章です。
https://ncode.syosetu.com/n2936dp/27/
ひとつの物語の中で、同じ旋律を場面や状況、歌い手を変えて繰り返し使うことですね。例えば主人公の信念を繰り返し歌って印象付ける、といった主題歌的な使い方も多いですが、歌詞の内容や歌い手の立場を全く逆のものにすることで対比や対立の構造を示す手法
リプライズになっているのは冒頭・ラストに流れるショウのテーマ(Welcom to the SHOW BOAT/Welcome to the SHOW BOY)なんだけど、テンポが落ちて雰囲気も全然違うので複数回入ってやっと気づきました。遅い。キャバレーでのショーと、支配人のソロのイントロが同じ旋律なのは彼女の存在がショーという装置を裏で支える骨組みだからなんだろうか…と思いながら聴いていた。なんというか、ショーと彼女の存在は鏡合わせみたいだなって。なのでイントロの映像の鏡を覗き込むところが毎回好き。中川翔子さん、本当に歌がうまくてありがたいです。
支配人とマフィアのパートって鏡、他人から見える自分の顔、自分の顔は自分では見ることができない みたいなのがモチーフな気がして、
— あい (@_brighterthan_) 2021年7月19日
だからマフィアの娘がテレビ電話(パパの顔が見える手段)に切り替えて最初は仕事着で、次は衣装で、最後は役として舞台を踏んだ後でそれぞれ認識されるされないの違いがあるの本当におもしろいな〜と思った
— あい (@_brighterthan_) 2021年7月19日
携帯を支配人が預かってあげてからのテレビ電話では衣装なのに娘はパパだって分かるの そこにある違いって覚悟とか自分の役割とか立つべき場所をこの瞬間でも見つけたっていうそういうのがあるから 本当のパパのこと娘はわかるよみたいな そういうことなのかな…みたいなことを思いました
— あい (@_brighterthan_) 2021年7月19日
支配人の向き合っている自分は黒いヒヨコの自分であり、鏡の中に作り上げた支配人然とした自分。人間はみんな鏡でしか自分の顔を見ることができなくて、だから本当はどんな自分なのか暗示をかけて思い込むのも実は自由で、他の人間からどう見えているかも誤魔化せる。何が大切なのかも、何が弱点なのかも実はそんなに自分が思い込んでいるほど重要じゃないのかもという逃げ道。男も女も言語も(わかる)、ショーなのに歌えるかも踊れるかも(わか…る?)関係ない!ってそんな型破りなことある?支配人の深呼吸して拍手2回が物語を動かすキーになる。彼女だけ唯一突破口を知っている。
支配人の出る場面で好きなのが、「楽しそうなひと」・(大っぴらに言うことでもないでしょう?・言うときは自分で言いたいんですという見習いに対しての)「ここには友達も話し相手もいないし(=誰にも言わない)」・「どうぞ?」のバランス感で、これは本当に脚本がうまいんだと思います。この話をして伝わるか否かというのは絶対個人差があるんだけど、わたしは感動したので絶対に感想として書くつもりでいた…。この感覚で描けるひとに書いてもらった脚本たぶん買い取った方がいい。宝じゃん。支配人はステージの確認をする場面で「看板曲がってない?」って尋ねるけど(これ確認しそびれた 妄想か…?)、KIT KAT KLUBの看板は登場する最初から若干傾いていて、このお話の人間のことなんだなと思う。傾いて、足らなくて、演者としては訳アリ・難アリのひとたち。
エンジェルと見習いマジシャン
SHOW BOYが文章読解に使われて、あたしが出題者なら抜き出し問題の解答にするのは トランプ!どこから出てきたの?と全部ハートのAじゃん!どうやったの? です
— あい (@_brighterthan_) 2021年7月14日
引用したツイートがこの物語の”全部”なんだけど、わかる?マジシャンとして致命的な嘘をつけないこと、手がすべって種明かしをしてしまうこと、それを見習いくんは気にしているんだけど、エンジェル(酒気帯び)はそれが種明かしになってしまってると全然分かっていない。そういうとこだよ!そういうとこがストーカーを生んでしまうのでは?主演ダンサーの気持ちもわかる気がする。主演ダンサーも酔ったエンジェルの、なんでもないもしかしたら本人も覚えてない一言で救われたことがあったのかもしれない。それは勝手にめちゃくちゃ好きになってしまうよね。
エンジェルと見習いくんが甲板で花火を見る場面、2人の顔だけ見てると本当に花火を見てるみたいで照明ってすごいな…と思えるので見て欲しい。
エンジェルが見習いくんに寄りかかろうとして避けられる場面、歩み寄って逃げられてしまう心の距離そのまんまの動きで、でも2人が共通して持っている迷いが言葉にされることによって甲板の真ん中に引きずり出されるのが好き。2人で座り込んでびっくりした!ごめん…とやる展開。吹っ切れた見習いくんがエンジェルを引き寄せるの、2人にロマンスがないのを承知していてもときめいてしまう。見習いくんもそういうところだし、エンジェルも一足飛びに指輪出してくる人間よりときめくの分かる。エンジェルがエンジェルの感じでときめくのがあれなのが本当に分かる。筋が通っている感じがします。
物語全体を通じて、誰かが価値を見出している物事(何かのシンボルになるものも含め)は、第三者からしたらよく価値が分からないものだとされている。勝手に奪って寒さをしのぐためのものだし、大切にしていた万札はマジックでしっかり折り目を付けて燃やされる(ただし元に戻る)。仕掛ける前のはずの箱からは知らない人が出てくるし、マジックの道具として鳩と一緒にステージに乗せられて、挙句全然関係なかった少女は発砲するし、仕事着を着ていなくともパパはパパとして認識してもらえる。ブレイクスルーになるのは、「今日初めて会ったひと」・「誰?」たまたまその場に居合わせただけの人間かもしれない。わたしはこの作品を生で観たら泣いちゃって大変なことになるかもしれないと思っていたのですが、全然物語にダンスに音楽に衣装に照明に、演者のみなさんにわくわくしっぱなしで未だに泣いたことがない。泣く暇がないです。いい意味で期待を裏切られて気持ちいい。どんどん裏切ってほしい…。千秋楽まで無事に走り切れますよう!こちらも体調管理に気を付けます。
余談
何気ない一言で他人の神になってしまったことがあり、めっちゃ居心地が悪かったのでエンジェルの気持ちが2ミリくらい分かる。
見習いくんも割とホラー気味でこう思ったけど違いますか?
少女を見つけた見習いくんの「ここにいたんだあ…」が割とこれ pic.twitter.com/NLUQ8VpXcn
— あい (@_brighterthan_) 2021年7月14日
衣装ラフ見たいです。衣装が本当にかわいい。好きなのはアンサンブルのマジシャン助手衣装。A3!とかの衣装も担当されていたようです。ありがたい。
SHOW BOY終わっちゃったらBBB観に舞浜行きたいです。観たことない…。
生活の中でエンジェルの羽根を背負いたすぎる。バサアって人避けに使いたすぎる。
福田さんと高田くん鼻の感じ似ていてパンフだともっと似てませんか?
パンフの福田さんすごいことになってるので買ってない人はだまされたと思って買った方がいい。
わたしのSHOW BOYのイメソンはこちら https://music.apple.com/jp/album/%E3%81%8A%E3%81%84%E3%81%A7%E3%82%88-al/1050026306?i=1050026453&uo=4&at=10l8JW&ct=hatenablog
2021/7/19 思い出したり考えたことがあったら追記します。