2022/3 本能バースト演劇 sweet pool

本能バースト演劇

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1月の公演で気になった演者がいるので観たい…となっているタイミングで別の当落が判明したため予定を入れた。愛するフォロワー複数人の観劇予定があるということで、それもかなり大きい動機になった!感謝です。

sweetpool_stage – GORCH BROTHERS

勝手に似た布陣のドマステ(DRAMAtical Murderの舞台版)と制作が同じなのかと思ったら、ドマステはネルケ、今回は中屋敷さんの所属のところ(GORCH BROTHERS)ということで、もしかしてこれやりたかったのって…中屋敷さん?みたいになってる。経緯を知らなすぎるので合ってるか分かりませんが…。でもオーディションじゃなくてオファーだったって話してる演者もいたのであながち間違いではないのか……?千秋楽のカテコで、ニトロプラスキラルを連呼していた…。

チケット買うか迷ってる段階で、ゲームをプレイするのは絶対無理なので枠組みだけ捉えられたらいいな〜と思ってノベライズを読んだ。複数あるうちの1つのEDでしかないので、結局プレイしたくなっている。(→初日入った後に淡々と購入)みたい演者がいるものの、(.5・ニトキラ)初学者にとってはハードルが高すぎる気が…と思ったのを、この役をやる演者がみたい…に持ってくためでもあった……。あとわたしにしては革命的なのですが、睦のことが気になりすぎてもしかしたら無理して現地行くかもだけど分からんしとりあえず配信を…と購入しました。PCの前に座っていられるのか?!

→結局睦も善弥も1回は入りたくて入った。

  • ノベライズを読んで読み返したもの

現代思想 2015年1月号 臨時増刊号=見田宗介真木悠介

これは前から読みたかったから!詳しく内容見ずに買ってしまった。よく見たら大澤真幸さんも書いてる。「増補 虚構の時代の果て (ちくま学芸文庫)」を欲しいものリストに入れたままにしています

12月の日記 - 名前を入力してください

この中の大澤真幸「<自我の起源>論」を読んだ。人間を人間たらしめるもの・本能(=生成子/遺伝子)と自我みたいな話。これは論考なのであらましを知ることしかできず、「自我の起源」を読みたいな~となったのですが、上に挙げてる「虚構の~」を購入したので……保留している。

宮沢賢治 存在の祭りの中へ/見田宗介

陥入とか発生とりんご・銀河鉄道の夜の話を改めて読みたくなり冒頭だけ。

他にも、高校で選択していた生物のことなど全て忘れているのでインターネット上に散らばる大学のレジュメっぽいのを読んでいた……。

あと塩基配列といえばらせん(鈴木光司)…ですが、昔途中で読むのをやめたくらい怖いので読みたくない……。でもシリーズ3作読むと分かることがあるらしい。

初日まで落ち着きたいと思って、聴く音楽を落ち着いているやつに切り替えた。分からないだらけ(V6)が似合うかもと思って聴いて、じゃあTempalayも聴くか…とひたすら聴いていた。↓好き。

ああ迷路

ああ迷路

  • provided courtesy of iTunes

あとはなんか普段聴かない、歌がうるさくないのがいいな~と思ったので以前観たKappaの音楽担当だった大嶋吾郎さんのインタビューからKraftwerkを聴いてみている。

『Kappa』を解剖!『教えて!吾郎さん インダストリアル・ロックってなあに?』 – plus a/プラスエー

これを書いてる今は初日も迎えておらず、ドマステの感想を読んでこっちの脳がクラッシュだわと思っているところ。どうなるんだ……。と書いていたところ全然関係ない動画をみて、ノベライズを読了して突然かなり大きい期待を抱き何周か回ってハイになってしまった。ハイになってしまったので、聴く音楽もエイベックスばっかりになってしまって暖かくなってきたなと思う。夏はエイベ。ハイになってたくさん友人に連絡してしまった。久しぶりになんだかじりじりわくわくする……。チケットを取ると決めた日がすごく昔に感じられるし、初日までの1週間がすごく速かった。

  • 好きだったところなど

中屋敷さんの演出は照明がよいと聞いていたので注目していた。映像と照明がすてきでした。わたしが好きなのは蛍光灯!人物の感情に合わせて点滅する蛍光灯。まじで理科室ってああいう色だった。黒い遮光カーテンが全部閉まっているとああいう薄暗さ。他にもただステージを明るくするなら白?をぽんと点ければいいけど、オレンジぽい色・クリーム色(黄みの強い白)など混色されていることが多く、角度も左右非対称?かな…?で影を見せるのを目的にしているのも観ていて楽しかった!

善弥の校門のフェンスが影で表現されているのはゲーム始めるまで気づけなくて、細かくておもしろいなと思いました。好きだったのは、蓉司が善弥にボコられて意識を失う場面で、セットの後ろで揺れている照明。あと屋上の空の色がきれいでパンのやりとりしてるところはパン…♪と楽しい気持ちになりつつ、照明がきれいで気持ちよくて見るたび楽しかった。

睦ルートの怪演を予見させる杉江さんのお芝居をみて、声がすごく通って生で聞きたい声だ~と思って結局行った。価格と中身が見合っていて、自分が楽しめる確信があってこそ人間は気持ちよく決済ができる。もう1週間ずっと楽しくて、楽しい!うれしい!しか言えなくなっていて怖かった。友人にも楽しそうだったねって言われた。

ゲームは睦回に入る前に睦のシナリオを読むぞ!と始めて、EDまでたどり着いたのは睦観た翌日だったのですが、かなり端折られている(きっと泣く泣く)部分が多くてびっくりした。きれいにまとまっていたんだなと思った。ステでは姫谷のエピソードが少ないのに、ゲーム未プレイ初見の段階でしっかり好きにならせてくれたのがすてきだと思う。あと自分にとって手っ取り早いからノベライズの哲雄視点を読んで初日を迎えたのですが、本当に哲雄の心情がわからないとマジで何が起きているのかわからず、怖すぎるのではないでしょうか?彼のことをわかりたいという欲求を生み出すので、それもうまいんだけど!楽しい!

どうしてこんなに楽しい楽しいと言っているかというと、まず好きな人間の演技をみたいと思っていたうえにおもしろい内容で、きれいにまとまっていて、演出や衣装やウィッグなどなど、ノイズが少なくて、しかもそれに出会えたことがものすごく陳腐だけど奇跡的なことだろうと感じたから。だからうれしいし楽しい。今が絶頂すぎるからこのままもう、おもしろいことがないかもしれない。前にも書いたけど、千秋楽と同時に終わりになりたい。今回はどんな作品なのか…と思いながら入ったのも自分の予定もあったので、そんなに回数観ていなくて(これはたぶん俳優圏を眺めている人間の感覚だが…)、まだ何度でも観たいよ~と思った。そんな簡単に言うなバーカと思われるのを承知で言えば、次は最初から本気でやるので、哲雄の視点と姫谷のエピソード(それは善弥の話なのでは?)も含む再演があれば非常にうれしいです……。

音楽もすてきだな~と思ったらあれはそもそもゲームのをそのまま使っていた。原作ファンの友人からタイミングきちんと合っててよかったね~と聞いた。なるほど。検索したら聴けてしまい、いいの?と思った……。ありがとうございます。かなり読書向き。

  • お話について

discommunicationがcommunicationに転換していくお話で、そのきっかけは上屋なんだけど2人の意思の強さによって上屋の狙い通りにはならないというのが好きだった。本当に怖すぎるくらい最初の2人の会話ってかみ合ってなくて、泣ける。蓉司姉・枝里香の「ようくんもその子も不器用なんだよ」とまだゲームでは回収してないんだけど「赤ちゃんは話せない代わりに目で訴えてくる、それを見てるとだんだん何が言いたいのかわかるようになる」が好きでした。舞台上での2人それぞれのやり方って、哲雄のやり方ってそうだった。砂川さんの目!好きだった。哲雄が何考えてやっていることなのか知っている・知らないでも見え方が変わると思った。パンの場面で蓉司を見上げて目がきらきらしてるの(これは照明の効果もあるが)がきれいだったし、合ってるな~と思った。あとは姫谷に撃たれてからの細かい演技が好きでした。

誰の思い通りにもならない、舵取りは自分ですると決めたその蓉司の強さが好きだった。というか作中で蓉司ってずっと耐えていて、耐えることはつらいし疲れるけど彼には普通のことだったんだと思う。元々そういう強さもあったけど、(彼からしたら)理不尽のピークを越えて哲雄に対して感情をぶつけることで状況が変化し、コミュニケーションが可能になって2人になった蓉司はまた別の強さを手に入れたのかな。櫻井さん本当に、この役を、すごいしか言えない。かっこよくてすてきでした。本当にお疲れ様です。

蓉司が善弥や哲雄に向かっていくのには「自分が何なのかわかりたい」という理由がある。彼は自分に起きている異変が異変なので主語は「自分が」だけど、「何なのかわかりたい」というのは、わたし含め物語を好きな人間がそれを追う理由なのかなと思った。だから蓉司と一緒になってわからないことを、わからないと思いながら追う物語の展開(これは原作ゲームと同じ)が気持ちいいのかもしれない。ただ暮らしているだけで感じられる物事の量も、性質にも限界がある。物語の力を借りてそれを超えること、楽しむことも悲しむことも、自分のことを知ること、他の人間や世界のことを知ることにつながっていくんじゃないかな~と、これは演者のカテコとかアフトでのコメントを聞いたりしても感じました。

「自分が何かわかりたい」に通ずるものとして、最後電車のホームでの場面での哲雄の「自分の中に自分の知らない自分がいる(=蓉司にまつわる記憶)」というのを聞いて、蓉司の「(自分のことを)最初から知ってたのか」と対応しているのかな~と思った。蓉司と哲雄はお互いがお互いの存在の不明さを解くトリガー。

こう書いてみると自分が意外とセリフを覚えているんだと気付く。自分で読むだけだと先を知りたいと思って流し読みしてしまうところもきっとあるので、舞台になって観る・作品を知ることができるというのは出会い方としてすごく幸福だったと思う。原作が好きで観に行ったというひとの感想で、キャラが人間として実体を持ってそこにいて、見ようと思えばいつでも見られる・扱いが大きくないキャラでもフレームアウトしないというのを目にして、そうそう舞台作品のよさってわたしが舞台を好きな理由ってそこ!と思った。

わたしは善弥がいちばん好きになった!宇野さん、まじで芝居がうまい。うまいというのはえらそうすぎるけど、わたしは好きだった。役についてインライしていて、滑舌が悪かったから直したんですよ~と話していたのでスゲー…しか言えなくなっちゃった。役者が噛むのは感情が先走ってしまったからだと思うのでと言ってくれたのたしかに、そうかも、わたしは割と気にしてしまうので反省だな…と思った。教えてくれてありがとうございます。

 

【箇条書き】

哲雄と善弥それぞれの「ずっと」の対比

全ルート共通、善弥の「お前は俺と同じだよ」/かわいそうで哀れむべきものはかわいい・自分もかわいそうだから、かわいいがよかった

蓉司の中での哲雄のイメージの変化:この部屋(化学室)と同じように冷たい→温かい

学校でもず~っと苗字で呼ばれて、実は自分の家に縛られてきた善弥がやっと名前で呼んでもらえるのは姫谷から。

哲雄は蓉司とご飯を食べる場面が明確に登場するが、睦は結局一緒には食べていない(食事に誘うが原作スチルでも蓉司はドリンクしか頼んでない…)・善弥は食べさせようとして失敗

出演していた役者さんみ~んなたぶん超まじめで、座組の雰囲気が~みたいな、ガチの初心者が言うことではないのですが、でもそうだろうとしか言いようがない!笑 お互いがキャラのことを同じ深度で受け止めている感じというか、空気感と作品の中の価値観が共有されている感じとか、そういうものがみられて好きだった。だからこそ楽しく観れたんだな~と思いました。

原作でまだ知らない部分が多いので変なことを書いている可能性もある。もし気づいたら適宜修正なり…します。スプステ楽しかった。ありがとうございました!