ファンタジーを読むこと

わたしは昔からファンタジー小説が好きだった。今も好きである。まあ媒体は小説からゲームアニメ舞台作品と変化しているのだが、その理由はおそらく現実を舞台した物語に、自分を配置したり自分の経験にのっとって作品を楽しむことができないからだろう。いろいろ、まあ現実っぽい作品も読んだりするがそんなにはまらないのは、わたしに現実世界の経験が不足しているからだろう。

その点ファンタジーは世界観が作品ごとに変わるものの、ベースとなるのは神話や史実の知識であり、理解が楽である。わたしは現実からの逃避としてファンタジー作品に触れているのだなと考えて悲しくなった。人間の生き死にが手軽に描かれるから、そこにまつわる哲学や思想が描かれるから好きなのだと前向きに語ろうとしたけれど、どうしても自分が理解できる物語にしか触れたくないんだろうなという考えが頭の多くを占める。

フィクションでしか語りえない理想が好きだからとかも理由にはもちろんあるだろうが、どうしても慣れ親しんだ部屋から出られないんだ自分は!30代を前にしても!とちょっとショックだった。以上。