インターネットとシスターフッドで韻を踏む

ふざけたタイトルになってしまった…。

 

中学生のころ好きな二次創作小説のサイト*1があった。

運営していたのは自分よりも年上の、京都に住んでいるバンギャルだった。小説も好きだったと記憶しているが、ガキの自分では知り得ない世界を知れる彼女の書くブログがただ好きだった可能性もある。コメ欄で放送があったアニメの内容から膨らませた無い話をしたり、無産のガキなのに小説を捧げ物でもらったりしていた。捧げ物ってやばい、死語ですか?個人サイト全盛期は、捧げ物とか頂き物とか家宝とかいろんな呼び方があったな。今でも対人でメッセージを送ることが好きだけど、それはきっとここでのコミュニケーションの楽しさが原体験なんだと思う。

彼女はアニメが完結してしばらくして病気になってしばらく更新が止まる旨日記に書いて、わたしはその間に受験生になりサイトを覗くことは少なくなっていた。その後たまたま訪問したときには、一時回復したものの容態が悪化したと代理人の投稿がありさすがにわたしも心配だったし、見ず知らずの人間のことを自分はこれほどまで考えることができるんだなとなんだか不思議に思った。今ならわかるけど、これってシスターフッドだし、愛かも。友人と話も成績も進路も合わずに暮らしていたわたしにとって、彼女はよき姉であり友人だったと思う。相手がどう思っていたかは分からないが、自分にとっての話をすることしかできないからそうする。

だから、彼女が子宮がんだった、サイトを見てくれているのは女性が多いだろうからみんな検診には行くようにと書いていたのも素直に聞こうと思ったし、その後接種が推奨されたり副作用が重篤だから広報がほぼなくなったりとかなり翻弄された世代ながら、子宮頸がんワクチンもきちんと打った。

これは00-10年代当時の「自分のことは詳らかに語るべきではない」とされていたインターネットではかなり異質で、こういうことも書いていいし、画面の先にいる人間のことを親身になって考えてもいいんだと自分に教えてくれた気がする。彼女はこの病気の後結婚しましたという報告をして、わたしがリアルアカウントしか持っていなかったからフォローを外したのか、彼女が投稿をしなくなりアカウントを消したのか定かではないけれどもう連絡が取れない。でも今もなんとなくしあわせに、好きなものがあるならそれについてまたたくさん話をしていてくれたらいいなと思う。愛。

わたしがこうやってべたべた書いてしまうのはやっぱり、こういう経験があったからだ。なんか適当に検索ボックスに入れた単語で引っかかったブログに、相手にとってちょっとでもプラスになる内容が書いてあったらそれだけで少しマシになることもあるかもしれないという、希望とか祈りが、インターネットに書くことには宿っている。最近ばたばたして書けてなかったけど、このあほっぽいタイトルを使ってこの話をやっぱり書きたいなあと思ったから書いた。

いつかどこかの誰かにとって何かになったらうれしいな!!もし話題にしたおねーさん本人がこの記事を読んだらいつでも連絡くださいね!!!!待ってます!!!(そんな都合のいい話があるかい)

*1:と言ってもトップだけレンタルサーバのもの、サイト本体はfc2ブログだった